魏晋の文学作品
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漢末から魏晋にかけては、女性作家の存在も多く確認される。たとえば、秦嘉の詩は、彼が都に行く際に病床の妻(徐淑)に送られた贈答詩であり、細やかな夫婦の情愛に満ちている。また、曹丕と丁廙の「蔡伯喈女賦」は、蔡琰の悲遇を題材に取りつつ、女性の一人称の語りに仮託した作品であり、これ以後建安詩人の間ではこうした作品が増えた。ほか、魏晋南北朝時代の女性詩人として、西晋の左思の妹である左棻、形而上学的な玄言詩を制作した東晋の謝道蘊、閨怨詩を制作した南朝宋の鮑令暉(鮑照の妹)などがいる。 また、この頃から「閨怨」というジャンルの作品が増え始める。これは「女性が寝室での独り寝を怨む」という設定の作品であり、漢代に作られた「古詩十九首」(『文選』収録)に見えるほか、魏の曹丕や曹植も制作した。ここに描かれるたおやかで弱弱しく、男性に捨て置かれても彼を愛する「待つ女」という設定は、当時の男性にとってこうした女性が理想的であると考えれられていたことを反映している。
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