駿豆鉄道の実力行使
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/21 13:27 UTC 版)
これに対して、駿豆鉄道は「新しい船の建造を自粛するという覚書の内容に反する」として、関東海運局に反対陳情をした。これが受け入れられないと知った駿豆鉄道は、関東海運局を相手取り、横浜地方裁判所に箱根観光船の建造許可を取り消すことを求めて訴訟を起こした。それと同時に、箱根登山鉄道に対しては、1956年3月10日に「自動車専用道路への乗り入れ協定を破棄する」と通告した。 これを受けた箱根登山鉄道では、1956年5月2日に、乗り入れ協定の破棄は無効であるとして横浜地方裁判所小田原支部に訴訟を起こした。同年5月31日には駿豆鉄道から同支部に対して箱根登山鉄道バスの運行禁止を求める仮処分を申請、それに対する箱根登山鉄道では駿豆鉄道の実力行使を想定し、箱根登山バスの運行妨害排除を求める仮処分の申請を行った。 しかし、裁判での争いだけでは済まなかった。乗り入れ協定が切れた1956年7月1日、駿豆鉄道は自動車専用道路の入口に遮断機を設置し、箱根登山鉄道の運行を実力で阻止したのである。この時点で、まだ前述した自動車専用道路の早雲山線への箱根登山バスの路線免許の問題は解決していなかった。しかし、箱根観光船の大型船が運航を開始し、このままでは箱根登山鉄道バスの路線免許が下りてしまうことを危惧した駿豆鉄道が、実力行使に出たものであった。
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