飛白体
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/09 14:27 UTC 版)
書体の一つである飛白(ひはく)体とは、刷毛筆を用いた書法で、かすれが多く、装飾的である。飛白の「飛」は筆勢の飛動を、「白」は点画のかすれを意味し、後漢の蔡邕が、人が刷毛で字を書いているのを見て考え出したという。飛白は宮城(きゅうじょう)の門の題署や碑碣の額に多く用いられ、飛白篆(篆書)・飛白草(草書)・散隷(八分)の飛白体がある。 最も古い飛白体は太宗の『晋祠銘』の碑額(「貞観廿年正月廿六日」の9文字)で、他に武則天の『昇仙太子碑』の碑額(「昇仙太子之碑」の6文字)などがある。空海の筆跡としては『七祖像賛』が残っているが、その飛白文字は天女の衣が大空に翻るようで美しい。日本では空海の後、この書法は中絶したが、江戸時代初期ごろ、松花堂昭乗や石川丈山らが盛んに書いた。 飛白は古くは飛帛といったが、飛帛とは中国の雑技として現在でも行われているもので、新体操のリボン競技に近く、飛白体のイメージに一致する。
※この「飛白体」の解説は、「風信帖」の解説の一部です。
「飛白体」を含む「風信帖」の記事については、「風信帖」の概要を参照ください。
- 飛白体のページへのリンク