風博士 (小説)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2009/12/28 18:27 UTC 版)
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『風博士』(かぜはかせ)は、坂口安吾の小説である。1931年(昭和6年)6月1日発行の雑誌『青い馬』(岩波書店、1931年 - 1932年)第2号に掲載され、発表された。
目次 |
概要
1930年(昭和5年)11月、24歳の坂口安吾が葛巻義敏、江口清らと創刊した同人誌『言葉』が翌1931年の第2号で廃刊となり、その後継誌『青い馬』を同年5月に創刊した。翌月1日の第2号に坂口が執筆、掲載した小説が『風博士』である。同作は、発表と同時に牧野信一から絶賛され、島崎藤村に賞賛された『黒谷村』とともに、坂口が「作家」として認められていくきっかけとなった作品のひとつとなった。
1989年、別役実の作演出、中村伸郎、すまけい、高木均、高樹沙耶の出演によりラジオドラマ化されている。同年5月27日にNHK-FM放送で放送された。
本作は、第二次世界大戦前に発表されたごく初期の作品であるが、近年人気があり、京都のロックバンド「風博士」やウェブブラウザ「風博士]」のネーミングの由来となっている。劇団21世紀FOXの第53回公演のタイトルも『風博士』(作北村想、演出肝付兼太、2003年)である。
2005年2月17日に著者である坂口の没後50年が経過したため著作権が消滅し、現在、青空文庫で読むことができる。
あらすじ
ある町にかつて「風博士」という名の「風」の研究家がいたが、長年の研究の完成を間近にして、突然失踪した。そこへ訪れた旅人が案内されたのは、「風博士」が存在しないことを立証することの研究家である「蛸博士」の家であった。
ビブリオグラフィ
同作の所収雑誌、書籍の一覧である。
- 『青い馬 第2号』、岩波書店、1931年6月1日 ※初出
- 『黒谷村』、竹村書房、1935年
- 『風博士』、山河書院、1948年
- 『風博士・夜長姫と耳男』、ほるぷ出版、1985年
- 『日本探偵小説全集 10』、創元推理文庫、1985年 ISBN 4488400108
- 『昭和文学全集 12』、小学館、1987年 ISBN 4095680121
- 『坂口安吾全集 1』、ちくま文庫、1989年 ISBN 4480024611
- ちくま日本文学全集『坂口安吾』、ちくま文庫、1991年 ISBN 448010206X
- 『木枯の酒倉から・風博士』、講談社文庫、1993年 ISBN 4061962159
- 『日本幻想文学集成 31』、富士川義之編、国書刊行会、1995年 ISBN 4336032416
- 『図書カードNo.42616 - 風博士』、青空文庫、2006年
関連事項
- 風博士 (ロックバンド) - みやこ音楽祭
- 風博士 (ウェブブラウザ) - 本作が名前の由来。
外部リンク
- 風博士 - 青空文庫
- 坂口安吾デジタルミュージアム - 新潟市主宰のサイト
- 風博士 (小説)のページへのリンク