額面増資
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/20 06:54 UTC 版)
当時は株式の発行方式においては、「既存株主への割当」と「額面発行による増資(額面増資)」が主流であった。これは、株主からすれば額面と時価の差額が利益となるので、企業が成長すればするほど利益が入る。一方、企業としては株価が高くとも額面分でしか調達できないため、資金調達としてのうまみはない。しかし、成長しているかぎり、配当を低くしても苦情が来ない。そして、増資すれば既存の株主へ割り当てられるため、株主から歓迎される。 企業からすれば、額面増資である限りは、株式市場は資金調達の場となりえないので、企業は借り入れを増やしていった。借り入れは物価が上昇すれば、負担が緩和する(@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}フィッシャー効果[要出典])ため、企業は借り入れを主要な資金調達の場とした。 大蔵省は企業の市場調達を促すため、額面増資から時価発行による増資へ移行しようとした。しかし、証券会社各社は反対した。なぜならば、証券会社各社は顧客に対して、成長の見込まれる企業を選定し、成長株を推奨販売していた。株式が値上がりしたらそれを買取り、その株式を担保に借金をして、その借金を投資信託の配当や投資の運用に回していたためである。
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