韮澤靖とは? わかりやすく解説

韮沢靖

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/01/12 08:08 UTC 版)

韮沢 靖 にらさわ やすし[1][2]1963年昭和38年〉[2]8月26日[3][4][5] - 2016年平成28年〉[2]2月2日[4][5])は、造型師、キャラクターデザイナー、イラストレーター、漫画家[1][6]新潟県[2]栃尾市(現長岡市)出身。中越高等学校卒業。血液型はO型。

経歴

小林誠のアシスタントを経て[7]、1987年に雑誌『HOBBY JAPAN EXTRA』に小林デザインのマラサイをキット改造で製作し、モデラーとしてデビュー[6]。フィギュアの原型を雑誌に掲載、映画では『ゴジラ FINAL WARS』などにキャラクターデザイナーとして参加。

2004年、前年の『仮面ライダー555』のクリーチャーデザインを担当していた篠原保の紹介により『仮面ライダー剣』のクリーチャーデザイン(アンデッドデザイン)で特撮作品に初参加。そのデザインを高く評価され、2006年にアンデッドデザイン画集『UNDEAD GREEN BLOOD』発売に至った。また東映プロデューサー・白倉伸一郎にもそのデザインを評価され、2006年の『仮面ライダーカブト』、2007年の『仮面ライダー電王』のクリーチャーデザインを担当した。2009年には『劇場版 超・仮面ライダー電王&ディケイド NEOジェネレーションズ 鬼ヶ島の戦艦』に登場する、悪役の「ゴルドラ」「シルバラ」のデザインを手掛ける。

2011年には篠原からの誘いにより『海賊戦隊ゴーカイジャー』へも参加している[7]

プロデュースした画集『Bitch's Life』には弐瓶勉も参加した。

2016年2月2日、腎不全により急逝[8][9]。52歳没。

画風

主に頭蓋骨など、骨を取り入れたデザインやマーク、アシンメトリー(左右非対称)を好む[3]。また、人型のクリーチャーには、歯を食い縛った表情をさせることが多い。

『仮面ライダー』関連のクリーチャーデザインにおいては、自身が熱烈な『仮面ライダー』ファンであることもあり、過去作(特に、幼少期に接した昭和ライダー)のライダーや怪人のデザインを取り入れる場合がある[10][注釈 1]。また各作品ごとに共通のデザインテーマを決めている[注釈 2]

一方で器物をメインモチーフとしたクリーチャーは少なく、韮沢自身も難しいと述べている[7]

逸話

  • 小学校の卒業文集に「KISSのメンバーかショッカーになりたい」と書いており、このころより後の作風に影響を与えるものを愛好していた[10]
  • 『電王』で主人公に憑依するイマジンたちについて、書籍で「怪人として怖そうにデザインしたのに、彼らにキャラクターとして人気が出た上に、『可愛い』と言われるとは想像もしておらず、驚いています」とコメントしている[要出典]
  • S.I.C.のVOL.13仮面ライダークウガとソフビ人形を使用した改造法の生みの親であり、『月刊ホビージャパン』2002年6月号に改造のやり方が掲載され、アナザーアギトのソフビなど合計7体を可動化させた。
  • 2005年版『妖怪大戦争』のクリーチャーデザインを行った際、機怪だけでなく1968年版に登場したダイモンのリメイクデザインも書き上げている。

個展

阿佐ヶ谷ギャラリー白線で開催。夕方からライブドローイングも行う。

  • 小個展Vol.-1 Body's 〜身体改造〜[11] 2009年11月15日〜30日
  • NIRAISM Vol.01『Succubus』2010年2月14日〜28日
  • NIRAISM Vol.02『PUNK!!』 2010年6月5日〜20日
  • NIRAISM Vol.03『VILLAINS』2010年8月26日〜9月20日
  • NIRAISM Vol.04 『The Mask』 韮沢靖×百武朋 展 2011年10月29日〜11月13日
  • 海賊戦隊ゴーカイジャー韮沢靖デザイン画集『ザンギャック ワークス LOG』原画展 2012年10月19日〜11月4日

トークライブ

  • 『海賊戦隊ゴーカイジャー/画集「ザンギャックワークスLOG」』発売記念! 韮沢靖トークライブ - 2012年10月21日、阿佐ヶ谷LOFT-A
ゲスト:桂正和、百武朋 (特殊メイク師、映像作家、造形デザイナー)、司会:木原浩勝
  • マンガと模型と酔っぱらい 〜桂寺竹韮ナイト〜 - 2013年6月9日、阿佐ヶ谷LOFT-A
ゲスト:桂正和、寺田克也竹谷隆之
  • 空山×韮沢~酔っぱらいトーク~ - 2015年3月27日、阿佐ヶ谷LOFT-A
出演:空山基、韮沢靖
  • あやしのひと ~テラニラ~「恐怖!ラクガキ猿男」韮沢靖+寺田克也 - 2015年7月24日、阿佐ヶ谷LOFT-A
出演:寺田克也、韮沢靖、ゲスト:内藤泰弘

映像作品

漫画

小説の表紙・挿絵

  • 竜太と青い薔薇(上) ドラゴン・キッズ・アドベンチャー(2003年5月15日、講談社ISBN 978-4061486157)- 松原秀行(著)
  • 竜太と青い薔薇(下) ドラゴン・キッズ・アドベンチャー(2003年5月15日、講談社、ISBN 978-4061486164)- 松原秀行(著)
  • 竜太と灰の女王(上) ドラゴン・キッズ・アドベンチャー(2004年3月15日、講談社、ISBN 978-4061486447)- 松原秀行(著)
  • 竜太と灰の女王(下) ドラゴン・キッズ・アドベンチャー(2004年4月15日、講談社、ISBN 978-4061486485)- 松原秀行(著)

画集

仮面ライダー関連

書籍

電子書籍

  • 竜太と青い薔薇(上) ドラゴン・キッズ・アドベンチャー(2003年5月15日、講談社Kindle
  • 竜太と青い薔薇(下) ドラゴン・キッズ・アドベンチャー(2003年5月15日、講談社、Kindle)
  • 竜太と灰の女王(上) ドラゴン・キッズ・アドベンチャー(2004年3月15日、講談社、Kindle)
  • 竜太と灰の女王(下) ドラゴン・キッズ・アドベンチャー(2004年4月15日、講談社、Kindle)
  • ファントム・コア(2012年11月24日、ぶんか社
  • ファンタスティック・クリーチャー・ワールド(2015年4月24日、クリーク・アンド・リバー社、Kindle)
  • カメレオン 韮沢靖作品集 電子版(2015年4月24日、クリーク・アンド・リバー社、Kindle)
  • NIRA WORKS 韮沢靖立体作品集 電子版(2015年4月24日、クリーク・アンド・リバー社、Kindle)
  • DOESN'T(2015年4月24日、クリーク・アンド・リバー社、Kindle)
  • PHANTOM CORE(2015年4月24日、クリーク・アンド・リバー社、Kindle)

ゲーム

  • 1991年(メガドライブ)『ビーストウォーリアーズ』(モンスターデザイン)
  • 1993年(メガドライブ)『Aランクサンダー 誕生編』(クリーチャーデザイン)
  • 1995年(SFC)『魔天伝説~戦慄のオーパーツ~』(クリーチャーデザイン)
  • 1996年(セガサターン)『サイバードール』(キャラクターデザイン、広告用造形物作成)
  • 1996年(セガサターン)『エネミー・ゼロ』(クリーチャーデザイン)
  • 1997年(セガサターン)『龍的五千年 DRAGONS OF CHINA』(クリーチャーデザイン)
  • 1997年(セガサターン)『VIRUS』(クリーチャーデザイン)
  • 1998年(セガサターン)『DEEP FEAR』(キャラクター、クリーチャーデザイン)
  • 1999年(PS)『倫敦精霊探偵団』(精霊デザイン)
  • 2001年(PS)『ボルフォス』(デザイン全般)
  • 2006年(XBOX 360)『BULLET WITCH バレットウイッチ』(ドラゴンバッツデザイン)
  • 2008年(PS2)『POISON PINK』(魔神デザイン)
  • 2012年(iPhone, Android)『DARK SUMMONER』(モンスターデザイン)
  • 2013年(ニンテンドー3DS)『真・女神転生IV』新規悪魔デザイン(ケンタウロス、メデューサ、アスモデウス、ミチザネ、ルシファー、マサカド。『真・女神転生Ⅳ 公式設定画集』156-162pより)。
  • 2016年(アーケード)『LORD of VERMILION Re:3』(カードイラスト)
  • 2016年(スマホアプリ)『戦国修羅SOUL』石川五右衛門(キャラクターデザイン)
  • 2016年(スマホアプリ)『ワールドチェイン』高師直(キャラクターデザイン、遺作)

脚注

注釈

  1. ^ 仮面ライダー剣』に登場するイーグルアンデッド(モチーフ)には、『仮面ライダー』のショッカー首領のシンボルマークである「翼を広げた鷲」のマークを腕につけている。
  2. ^ 『仮面ライダー剣』のアンデッドは「鋲」「レザー」、『仮面ライダーカブト』のワームは「(人間を殺害・擬態することから)ドクロマーク」、『仮面ライダー電王』のイマジンは「服を着ているようなデザイン」「名前やモチーフに関連した文字」など。
  3. ^ X星人の宇宙船も担当[4][2]
  4. ^ 篠原保との連名。

出典

  1. ^ a b c d e f g h
    • 完全解読 2014, pp. 139–141, 「Interview 韮沢靖イラストレーション」
    • 解体全書 2016, pp. 139–141, 「Interview 韮沢靖イラストレーション」
  2. ^ a b c d e f FWコンプリーション 2023, pp. 36–37, 「デザインワークス」
  3. ^ a b 『僕たちの「仮面ライダー」怪人ランキング』宝島社〈TJMOOK〉、2014年9月28日、16-21頁。ISBN 978-4-8002-3083-6 
  4. ^ a b c d 野村宏平、冬門稔弐「8月26日」『ゴジラ365日』洋泉社映画秘宝COLLECTION〉、2016年11月23日、238頁。 ISBN 978-4-8003-1074-3 
  5. ^ a b
  6. ^ a b
  7. ^ a b c 「DESIGNER'S INTERVIEW13 韮沢靖」『東映スーパー戦隊シリーズ35作品記念公式図録 百化繚乱 [下之巻] 戦隊怪人デザイン大鑑 1995-2012』グライドメディア、2012年10月16日、364頁。 ISBN 978-4-8130-2180-3 
  8. ^ “「仮面ライダー」「牙狼」クリーチャーデザイン韮沢靖さん死去 52歳 腎不全のため”. シネマトゥデイ (株式会社シネマトゥデイ). (2016年2月5日). https://www.cinematoday.jp/news/N0080145 2023年11月19日閲覧。 
  9. ^ 韮沢靖【韮沢靖事務所】 [@YasushiNirasawa] (2016年2月5日). "ご報告 韮沢靖逝去 2016年2月2日腎不全の為急逝いたしました。…". X(旧Twitter)より2023年11月19日閲覧
  10. ^ a b 「作品世界を知るための13のキーワード Keyword8 韮沢靖コメント」『宇宙船』Vol.112(2004年5月号)、朝日ソノラマ、2004年5月1日、21頁、雑誌コード:01843-05。 
  11. ^ 韮沢靖小個展”. 2016年2月1日閲覧。
  12. ^ 「GODZILLA VS BIOLLANTE staff Message 萩原篤 萩原晶」『ゴジラVSビオランテ コンプリーション』ホビージャパン、2015年12月16日、58頁。 ISBN 978-4-7986-1137-2 
  13. ^
    • 完全解読 2014, pp. 62–63, 「Interview 韮沢靖イラストレーション」
    • 解体全書 2016, pp. 60–61, 「Interview 韮沢靖イラストレーション」

参考文献

関連項目

外部リンク


韮沢靖

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/12 02:40 UTC 版)

桂正和」の記事における「韮沢靖」の解説

ZETMAN』のキャラクターデザイン協力。また韮沢によるオムニバスイラスト集『Bitch's Life Illustration FIle』に「a virgin」を寄稿している。

※この「韮沢靖」の解説は、「桂正和」の解説の一部です。
「韮沢靖」を含む「桂正和」の記事については、「桂正和」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「韮澤靖」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「韮澤靖」の関連用語

韮澤靖のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



韮澤靖のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの韮沢靖 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの桂正和 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS