非退化共軛対称形式(不定値内積)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/13 01:23 UTC 版)
「内積」の記事における「非退化共軛対称形式(不定値内積)」の解説
詳細は「擬ユークリッド空間(英語版)」を参照 別な方向での一般化は、(正定値性を落として)対付ける写像が単に非退化双線型形式であるようにするものである。これは各非零元 x は適当な y を取って ⟨x, y⟩ ≠ 0 とすることが(y = x でなくてもいいから)できるということであり、即ち双対空間に引き起こされる写像 V → V* が単射ということである。この一般化は微分幾何学で重要である。リーマン多様体は各接空間が内積を持つ多様体であるが、これを弱めて非退化共軛対称形式を持つ場合を考えたものは擬リーマン多様体である。シルベスターの慣性法則によれば、任意の内積がベクトルの集合上の正値荷重を持つ点乗積に相似であるのと同様に、任意の非退化共軛対称形式はベクトルの集合上の非零荷重を持つ点乗積に相似になり、またこのとき正および負の荷重の個数はそれぞれ正および負の指数と呼ばれる。ミンコフスキー空間におけるベクトルの積は「不定値内積」の例だが、技術的な言い方をすれば、これは上で述べた標準的な定義に従う「内積」ではない。ミンコフスキー空間は実四次元で、各符号 (±) の指数は 3 および 1 (符号数 (3,1)})である。 (正定値性に触れない)純代数的な主張はふつう非退化性(単射準同型 V → V*) のみに依存して決まり、ゆえにより一般の状況においても成立する。
※この「非退化共軛対称形式(不定値内積)」の解説は、「内積」の解説の一部です。
「非退化共軛対称形式(不定値内積)」を含む「内積」の記事については、「内積」の概要を参照ください。
- 非退化共軛対称形式のページへのリンク