静的なエーテル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/04 01:10 UTC 版)
「重力を説明する古典力学的理論」の記事における「静的なエーテル」の解説
ニュートンは1717年にも、静的で密度の異なるエーテルのモデルを提案した。静的なエーテルによる浮力のアナロジーで、物体の重力の性質を説明しようとした。重力が距離の二乗に反比例することを説明するために、エーテルの密度は天体に近づくにつれて小さくなるとした。物体に近づくに従ってエーテルの密度がうすくなる理由については説明は与えられなかった。ニュートンは後に、有名な『わたしは仮説を立てない』(Hypotheses non fingo)という宣言をして重力の力学的な説明を放棄し、たぶん友人のニコラス・ファシオ・デ・デュリエールやデビッド・グレゴリーと同じように重力は神の意志であると考えるようになった。ニュートンと同じく オイラーも1760年に重力エーテルが逆2乗則にしたがって密度を失うと仮定した。彼もそうなる理由については説明できなかった。 この理論に対して加えられる批判は密度が不均一になる理由が説明されない他、エーテルが鋼の3000倍の剛性を持たなければならなくなることを、マクスウェルが指摘した。
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