青山屋敷の人々
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/01/19 16:15 UTC 版)
青山 播磨(あおやま はりま) 直参旗本、1400石の青山家の新当主。昨年末に火付盗賊改役長官まで勤め上げた父・鉄山が急死したため家督を継ぐ。25歳。剣術は師範代並の名手で、同門だった部屋住みの若者たちの集団である「白鞘組」に加わっていた。心の中にいつも満たされない思いを抱いており、欠落感から童の頃は癇癪持ちだった。成長してもその虚ろな欠落感は埋まらなかったが、武門の嗜みの中で立場は弁えている。伯母である服部真弓の勧めで、吉羅との縁談を進めることになる。 菊(きく) 18歳を過ぎた町娘。ひと際に聡明だが先を読みすぎて動けなくなってしまうため、自分は莫迦だと思っている。器量良しでもあるが自覚がないため、奉公先で色々な問題に巻き込まれてすぐに解雇されてしまう。今回も勤め先の主人に手を出されかけ、又市の働きで免れたものの職を失い、十太夫の勧めで青山屋敷で女中奉公することになる。 柴田 十太夫(しばた じゅうだゆう) 青山家御側用人。疾うに40を過ぎている。青山家のために粉骨砕身、休む間も無く忙しなく働いており忠義者とされるが、実際は誰かに褒められたいという思いで行動しているにすぎない。物腰が軽く、武士としての威厳がない。父からの言いつけで詳しい事情を一切知らぬまま、静と菊の母子を10年間支援し続けた。服部真弓の言いつけで家宝とされる姫谷焼十枚揃いの絵皿を捜索することになる。 権六(ごんろく) 青山屋敷に3年前から仕える中間奴。悪相の大男で主膳の朋輩。陰で、播磨をぼんくら、十太夫を末成(うらなり)と悪しざまに罵る。 仙(せん) 青山屋敷の腰元。町家の出で堅苦しいのは肌に合わず、菊を妹のように気遣う。主である播磨に好意を抱いており、吉羅との婚姻は主に不利益をもたらすと考え妨害工作を行う。
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