限定詞と人称代名詞
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/31 18:24 UTC 版)
「ラテン語の文法」の記事における「限定詞と人称代名詞」の解説
詳細は「ラテン語の格変化」を参照 ラテン語には不定冠詞や定冠詞(the, a, an)が存在しないが、「弱い指示語」のis, ea, id(英語のthis, thatに相当)を定冠詞の代わりに使うことがある。 Persuāsīt populō ut eā pecūniā classis aedificārētur (Nepos) 「彼は、そのお金で船を作るべきだとして人々を説得した」(eā pecūniāは英語のby that moneyの意味だが、eāが定冠詞のように使われている) ラテン語には指示語が存在する。hic, haec, hoc(近称「これ、この」。英語のthis。順に男性・女性・中性に対応する)、ille, illa, illud(遠称「あれ、あの」。英語のthat)、iste, ista, istud(中称「それ、その」。英語では"that one of yours")、直上のis, ea, id(「弱い指示語」。彼・彼女・それ)などである。 これらは、英語のthis, thatのように、指示語(形容詞的に)としても、代名詞(「これ、あれ...」)としても機能する。 Hic homō sānus nōn est (Plautus) 「この男は健全ではない」 Hic, putō, sānus erat (Martial) 「これ(=この男)は、私が思うに、健全だった」 人称代名詞も三つの人称のそれぞれに対応して存在する。人称代名詞は1人称・2人称にもあり、単数・複数がある。例:egō, nōs(私、私たち。1人称の単数・複数)、tū, vōs(あなた、あなたたち。2人称の単数・複数)。3人称はis, ea, id(英語のhe, she, itに相当)である。3人称の代名詞のみが性の変化を伴うのは、多くのロマンス諸語や英語と同様である。ラテン語では動詞の主語は動詞の活用に含まれているため、人称代名詞を文の主語として言うことは稀である。 限定詞には、所有形容詞や所有代名詞、基数詞や序数詞、数量詞、疑問詞などもある。
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