閘扉室
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/10/30 16:17 UTC 版)
閘扉室の工事は全工事の中で最も重要とされ、工費の84%を費やしている。建造にあたっては、はじめに基礎工事を施した。基礎は井筒を使用した。まず、平坦にした地盤の上に井筒の敷板を敷き、コンクリートで井筒先端の沓とよばれる部分を造り、その上から煉瓦50段(11尺、約3.3メートル)を積み上げた。井筒内部の土砂を掘削、浚渫することで井筒は自重により沈み込む。約12尺(約3.6メートル)沈んだところで、さらに55段、12.1尺(3.7メートル)の煉瓦を積んで、規定の深さまで沈下させた。その後に井筒の上に乗る重量の2倍の重量を上に載せて耐荷を確かめた。そして井筒内部および井筒間にコンクリートを流し込み、その上にコンクリートで給排水渠を作った。作業終了後、閘扉室内の土砂を掘削、浚渫し、底部にコンクリートと敷石を敷いた。閘門を建造した土地は地質的に湧水が多く、全工事の中でこの基礎工事が最も困難だったといわれている。 基礎工事がおおむね終わった後、石と煉瓦を積み上げて側壁を作り、さらに扉と開閉機などを取り付けた。
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