開発と飛行試験
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/08 20:46 UTC 版)
「X-53 (航空機)」の記事における「開発と飛行試験」の解説
主翼の改修はボーイングの開発チーム「ファントム・ワークス」が担当した。当初はそれまでF-18 HARV(High Alpha Research Vehicle, 高迎え角研究機)計画に使用されていたF/A-18A(NASAのテイルナンバー#840)を用いる予定だったが、垂直尾翼付け根の部品にクラック(亀裂)が見つかった。修復にはコストがかかりすぎるため、主翼だけを改造して別のF/A-18A機体(テイルナンバー#853)に載せることとした。実はF/A-18は開発当初主翼の剛性不足が発覚し、構造を強化した歴史を持つが、AAWに換装することで、一度高めた剛性を意図的に低下させることになった。 飛行試験は2つの段階(フェイズ)に分けて行われた。第1フェイズは2002年末から2003年4月まで50回の飛行が行われ、各種パラメータが採集された。制御ソフトウェア等の調整・最適化に1年ほどを費やした後、2004年末から2005年3月までが第2フェイズで、25回の飛行でフライト・エンベロープ(飛行包絡線)のうち18点において、制御則と操縦性・飛行性などの評価が行われた。本来のF/A-18は遷音速から超音速の速度で飛行中にロールする際、エルロンに加えて全遊動式水平尾翼も差動させるが、X-53では尾翼差動をさせることなく一定のロール・レート(横転率、1秒あたりの回転角度)を達成した。
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