開殻波動関数とは? わかりやすく解説

開殻波動関数

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/23 00:30 UTC 版)

スピン汚染」の記事における「開殻波動関数」の解説

ハートリー=フォック理論枠内では、波動関数スピン軌道スレーター行列式により近似される。開殻系ではハートリー=フォック理論における平均場アプローチからは相異なるα軌道とβ軌道とが得られる。ここで、2つ異なるアプローチを取ることができる。1つは、二重占有されている深い軌道ではαスピン軌道とβスピン軌道空間部分同一であると仮定する方法制限開殻ハートリー=フォック法ROHF)であり、もう一つはαスピン軌道とβスピン軌道とを全く独立扱って変分法行なう方法非制限ハートリー=フォック法UHF)である。一般的にN-電ハートリー=フォック波動関数はNα個のα-スピン軌道と Nβ個のβ-スピン軌道により以下のように書くことができる。 Ψ H F ( r 1 σ ( 1 ) ⋯ r N σ ( N ) ) = A ( ψ 1 α ( r 1 α 1 ) ⋯ ψ N α α ( r N α α N α ) ψ N α + 1 β ( r N α + 1 β N α + 1 ) ⋯ ψ N β ( r N β N ) ) . {\displaystyle \Psi ^{\mathrm {HF} }(\mathbf {r} _{1}\sigma (1)\cdots \mathbf {r} _{N}\sigma (N))={\mathcal {A}}\left(\psi _{1}^{\alpha }(\mathbf {r} _{1}\alpha _{1})\cdots \psi _{N_{\alpha }}^{\alpha }(\mathbf {r} _{N_{\alpha }}\alpha _{N_{\alpha }})\psi _{N_{\alpha }+1}^{\beta }(\mathbf {r} _{N_{\alpha }+1}\beta _{N_{\alpha }+1})\cdots \psi _{N}^{\beta }(\mathbf {r} _{N}\beta _{N})\right).} ここで、 A {\displaystyle {\mathcal {A}}} は反対称化演算子英語版)である。この波動関数は全スピン射影演算子 Ŝz の固有関数であり、その固有値は (Nα − Nβ)/2 である(ここで Nα ≥ Nβ とした)。 ROHF 波動関数では、最初の 2Nβ 個のスピン軌道同一空間分布をもつという制限課せられる。 ψ j α ( r j ) = ψ N α + j β ( r N α + j ) ,       1 ≤ j ≤ N β . {\displaystyle \psi _{j}^{\alpha }(\mathbf {r} _{j})=\psi _{N_{\alpha }+j}^{\beta }(\mathbf {r} _{N_{\alpha }+j}),\ \ \ 1\leq j\leq N_{\beta }.} UHF アプローチではそのような制限課されない

※この「開殻波動関数」の解説は、「スピン汚染」の解説の一部です。
「開殻波動関数」を含む「スピン汚染」の記事については、「スピン汚染」の概要を参照ください。

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