長弓兵の活躍
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/02 04:31 UTC 版)
3列に分けて配備されたイングランド艦隊は風上から太陽を背にした優位な位置を占めていた。イングランド艦隊は、先頭列の船には長弓兵が多く乗っていた。フランスの艦隊に近づくと、彼らは一斉に矢を放った。フランスもクロスボウで反撃を試みたものの、及ばなかった。エドワードは、一隊を正面から、他の一隊を側面から攻撃させた。当時の海戦は敵船に乗り込んでの奪い合いが主体で、そのまま白兵戦となったが、イングランド軍優位のまま、戦況は夕方までもつれ込み、フランドル艦隊約50隻が参戦したことでイングランドの勝利は確定した。白兵戦になったことで、万全の装備を身につけたイングランド兵たちは、長弓兵の援護を受けながら、次々と相手を仕留めて行った。当初の犠牲者数が少なかったことも、イングランドに有利に働いた。長弓による効果は大きかった。 マーティン・J・ドアティーは、恐らくは、1815年のワーテルローの戦いでも、火器に代わって長弓兵が通用したのではないかとも言っている。大砲や銃、さらには銃剣などの火器が後世主流となったのは、扱いが簡単であるため、早く兵士を訓練できるのが主な理由であり、火器の効率が必ずしもいいからではなかった。
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