銀河系外惑星観測の可能性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/08/30 08:04 UTC 版)
「ツインクエーサー」の記事における「銀河系外惑星観測の可能性」の解説
ツインクエーサーの像は光度変化をしばしば起こすが、ハーバード・スミソニアン天体物理学センターにて天文学者のルドルフ・シルト (Rudolph Schild) が率いる研究チームが観測した1996年の光度変化は、今までに観測例が無い異常なものであった。光度変化はツインクエーサーがもつ固有のタイムラグをもって2度観測されている。光度変化は長いタイムスケールで0.3等級、1ヵ月あたり0.05等級の変化であった。この光度変化は、ツインクエーサーを分離する重力源であるYGKOW G1に属するとても小さな質量の物体がもたらす重力マイクロレンズ効果によるものではないかとされている。 仮に変化の原因が太陽系外惑星であった場合には、YGKOW G1の距離である49億光年離れた位置で発生したことになり、2012年現在発見されている中で最も地球から遠い惑星であるMOA-2011-BLG-293Lbとの距離の2万3320光年 をはるかに上回り、最も遠い太陽系外惑星になると同時に銀河系の外で発見された初めての惑星となり、銀河系外惑星の最初の観測報告ともなる。ただし、重力マイクロレンズ効果は惑星が偶然ツインクエーサーの手前を通過した場合に発生するものであり、当該惑星が属する恒星系が所属する銀河YGKOW G1内で公転運動を行うことにより位置関係が変化することから事象としての再現性は無く、したがって再確認を行うことはできない。 なお、当該光度変化が銀河系外惑星によるものであった場合、観測値から当該惑星は地球質量の約3倍の質量を持つこととなる。
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