郷土芸能の題材としての「八百屋お七」
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天和笑委集では、物語の後日談としてお七と庄之介の話が全国津々浦々に伝わったとしている。天和笑委集の成立自体がお七の死後数年以内なので八百屋お七の事件の噂話はたちまちのうちに全国に伝わったことがうかがえる。これらは中央の文芸作品の影響を受けながらも各地でさまざまに形を変え、お七の恋物語は郷土芸能の題材として全国各地にさまざまな形で伝承されている。二松学舎大学教授で国文学専攻の竹野静雄が1986年にまとめた調査でも全国38都道府県で八百屋お七を題材にした郷土芸能が確認され、昭和まで伝承されなかったものを含めると沖縄を除くほぼ全国に八百屋お七を伝承する郷土芸能があったものと思われる。 郷土芸能としての「八百屋お七」は歌祭文・覗きからくり節・盆踊歌・飴売り歌・願人・祝い歌・労作歌・江州音頭やんれ節などが確認される。とくに八百屋お七盆踊り歌は昭和ですら保存されている件数が多く、またその内容も多くの系列があり、かつては全国いたるところで歌われていたものと考えられている。 覗きからくり 覗きからくり節 では八百屋お七はよく演じられる演目の一つであり、各地の自治体でその保存活動や紹介活動が行われている。新潟市の巻郷土資料館では、約100年前の八百屋お七の覗きからくりを保存し、館員による口上付きの公演も随時行っている。
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