郡県制とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > デジタル大辞泉 > 郡県制の意味・解説 

ぐんけん‐せい【郡県制】

読み方:ぐんけんせい

中国で、戦国時代から秦代施行された、中央集権的な地方行政制度全国皇帝直轄地として郡・県に分け皇帝任命する地方官派遣して統治させたもの。→封建制


郡県制

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/26 18:09 UTC 版)

郡県制(ぐんけんせい)は、古代中国の地方統治制度。の2段階で地域が区画され、中央から派遣された官吏によってその統治がおこなわれた。世襲制の封建制に代わる支配制度で、王朝中央集権体制の強化に役立った。日本列島朝鮮半島などの東アジア地域の古代王朝にも制度的影響を与えた。なお、日本の近代以降の制度は郡と県の位置づけが逆となっている。

先秦の郡県制

春秋時代末期から戦国時代に、で施行された。初めは直轄地を県、辺境地域を郡としたようであり、中央から王の任命する官吏を派遣して統治した。

秦代の郡県制

の国内では、紀元前4世紀の孝公の時代に郡県制が実施されていた[1]。孝公は商鞅を登用して、咸陽を中心に41県を配置した[1][注釈 1]は、秦においては他国を併合した際にその領域を称することが多く、を置くのはその後であり、それゆえ、秦の郡県制は当初から郡・県が上下の統属関係として設けられたわけではない[1]。これを整備したのが始皇帝であり、彼は全国を36郡(のち48郡)に分け、の下にを置き、皇帝任命の官吏を派遣した[1]。郡の行政長官は郡守と呼ばれ、警察担当として郡尉、監察担当として郡監が置かれた[1]。県の長官は大県は令(県令)、小県は長(県長)と呼ばれた[1]。県の警察担当として県尉、監査役ないし県令の補佐役として県丞が置かれた。

漢代以降

前漢郡国制を採用したが、中央直轄の郡県においては、秦の制度を踏襲した。紀元前148年に郡守を郡太守、郡尉を郡都尉と改称した。紀元前106年武帝は全国を13(11州と2郡)に分け、各州に刺史を設置した。これにより郡県は州・郡・県3段階の地方制度に改まった。

魏晋南北朝時代を通じて、州・郡・県の数は増大しつづけ、南北朝末期には1州に1郡しかない地方も現れて、行政上の非効率も問題化してきた。

583年が郡を廃止し、州・県2段階の地方制度に改められた(州県制)。607年大業3年)に州が廃止されて郡が置かれると、郡県制が復活した。

618年が隋を滅ぼすと、郡を州に改め、再び州県制が採用された。627年に全国が10道に分けられると、道・州・県3段階の地方制度となる。742年に州が郡に改められて、一時的に郡県が復活したが、758年に郡が州に改められて、郡は姿を消した。

脚注

注釈

  1. ^ 商鞅の採用した県制は、君主が直接人民を支配できる場として県を想定するという性格を有していた[1]

出典

関連項目

外部リンク 


「郡県制」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「郡県制」の関連用語




4
デジタル大辞泉
54% |||||

5
李斯 デジタル大辞泉
54% |||||

6
デジタル大辞泉
54% |||||




10
デジタル大辞泉
38% |||||

郡県制のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



郡県制のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの郡県制 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS