道徳論的証明とは? わかりやすく解説

道徳論的証明

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/06 15:36 UTC 版)

神の存在証明」の記事における「道徳論的証明」の解説

カント理論理性によっては神の存在証明することはいかなる方法でもできない考えた。この点でまずデカルトアクィナス存在証明とは質を異にするカントの証明特質は、たとえ理論理性では神の存在の証明不可能であるとはいえ道徳的実践見地からすると実践理性必然的な対象である最高善実現のためにぜひとも神の実在が“要請”されねばならない、とした点にある(『実践理性批判』)。 カントによれば道徳法則に従うことが善である。道徳法則従った行為なしうる有徳な人間最上の善をもつ。しかし、有徳であるだけでは善は完全でなく、善がより完全であるには有徳さに比例して幸福が配分されねばならない。徳とそれに伴う幸福との両立が完全な善としての最高善である。しかし、まずもって不完全である人間最高善実現するためには無限な時間が必要である。永遠に道徳性開発せねばならないことから、魂の不死要請されるまた、この徳と幸福の比例関係は神によって保証されねばならない。そのため神の存在道徳的実践的見地から要請されねばならない、とした。したがって厳密に言えばカントは神の現実存在決し証明したわけではない。この要請論をヘーゲルが「ずらかし」として批判したのは有名である(『精神現象学』)。

※この「道徳論的証明」の解説は、「神の存在証明」の解説の一部です。
「道徳論的証明」を含む「神の存在証明」の記事については、「神の存在証明」の概要を参照ください。

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