過程と構造
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 09:20 UTC 版)
プロテインキナーゼはセリン/スレオニン残基をリン酸化する場合と、チロシン残基のみをリン酸化する場合がある。このことに基づいて、プロテインキナーゼはセリン/スレオニンキナーゼとチロシンキナーゼに分類される。複数の残基が同時に自己リン酸化されることもある。リン酸化が行われる残基は、「活性化ループ」(activation loop)と呼ばれるタンパク質構造内のループに存在することが多い。プロテインキナーゼの結晶からいくつかの自己リン酸化複合体の構造が知られており、既知のペプチド基質/キナーゼ構造と同じように、結晶中の1つの単量体のリン酸化部位(セリン、スレオニン、またはチロシン)が結晶中の他の単量体の活性部位に位置している。既知の構造には次のようなものがある。 膜近傍領域のチロシンのリン酸化ヒトcKIT(英語版) Tyr568 PDB 1PKG ヒトCSF1R(英語版) Tyr561 PDB 3LCD(cKIT部位と相同) ヒトEPHA2(英語版) Tyr594 PDB 4PDO(cKIT、CSF1R部位の2残基後) キナーゼ挿入領域のチロシンのリン酸化ヒトFGFR1(英語版) Tyr583 PDB 3GQI ヒトFGFR3(英語版) Tyr577 PDB 4K33(FGFR1部位と相同) 活性化ループのチロシンのリン酸化ヒトIGF1R Tyr1165 PDB 3D94 ヒトIGF1R Tyr1166 PDB 3LVP ヒトLck(英語版) Tyr394 PDB 2PL0(IGF1R Tyr1165部位と相同) 活性化ループのセリン/スレオニンのリン酸化ヒトPAK1(英語版) Thr423 PDB 3Q4Z、4O0R、4O0T、4P90、4ZLO、4ZY4、4ZY5、4ZY6、5DEY(基質である活性化ループの完全な座標は4ZY4と4ZY5で見ることができる) ヒトIRAK4(英語版) Thr345 PDB 4U97、4U9A N末端またはC末端テールのセリン/スレオニンのリン酸化線虫CaMKII(英語版) C末端テール Thr284 PDB 3KK8、3KK9 ヒトCaMKII C末端テール Thr287 PDB 2WEL(線虫の部位と相同) ヒトCLK2(英語版) N末端テール Ser142 PDB 3NR9
※この「過程と構造」の解説は、「自己リン酸化」の解説の一部です。
「過程と構造」を含む「自己リン酸化」の記事については、「自己リン酸化」の概要を参照ください。
- 過程と構造のページへのリンク