通書_(周敦頤)とは? わかりやすく解説

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通書 (周敦頤)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/11/09 19:45 UTC 版)

通書』(つうしょ)は、中国北宋儒学者周敦頤(周濂渓)の著作。『太極図説』と並ぶ主著[1]

もとの名は『易通[2][3]。『周子通書』『濂渓通書』とも呼ばれる[2][3]

内容

全40章の短い文章からなる[1][3]。「聖人学んで至るべし」(聖人は学習によってなり得る)を前提に、聖人になるための学問と修養の意義と方法を論じる[1]。『易経』『中庸』を踏まえ、「誠」「」「」「」「主静」「無欲」などの思想を説く[2]

受容

南宋朱熹注釈書として『通書解』を書いている[1][4]。『近思録』『朱子語類』でも『通書』を扱っている[5][6][7]。朱熹以前は、『通書』の付録として『太極図説』が読まれていたが、朱熹以降逆転し、『太極図説』の付録として『通書』が読まれるようになった[1]

曹端中国語版『通書述解』はの『四庫全書』に収録されている[3]

江戸時代日本では、伊藤東涯『通書管見』などが書かれた[8]

哲学」という言葉は、明治時代西周が『通書』の「士希賢」(は賢をこいねがう)という一節から考案した「希哲学」に由来する和製漢語である[9][10]

日本語訳等

脚注

  1. ^ a b c d e 土田健次郎 著「通書」、溝口雄三; 丸山松幸; 池田知久 編『中国思想文化事典』東京大学出版会、2001年、876頁。ISBN 978-4130100878 
  2. ^ a b c 内山知也 著『新釈漢文大系別巻 漢籍解題事典』明治書院、2013年。ISBN 9784625673177。285f頁。
  3. ^ a b c d Theobald, Ulrich. “Tongshu 通書 (www.chinaknowledge.de)” (英語). Chinaknowledge英語版. 2025年11月9日閲覧。
  4. ^ 市川安司「通書「動靜」章の注に見える朱晦庵の思考法」『宇野哲人先生白寿祝賀記念東洋学論叢』宇野哲人先生白寿祝賀記念会、1974年。NDLJP:12170610/120
  5. ^ 中国語版ウィキソースに本記事に関連した原文があります:近思錄/後序·提要#刻近思錄成序後
  6. ^ 朱子語類 : 周子之書 - 中國哲學書電子化計劃” (中国語). ctext.org. 2025年11月9日閲覧。
  7. ^ 恩田裕正. “朱熹の思想体系における周敦頤の位置の再検討-『朱子語類』巻94の精読に基づいて-”. kaken.nii.ac.jp. 2025年11月9日閲覧。
  8. ^ 通書管見”. 国書データベース:国文学研究資料館. 2025年11月9日閲覧。
  9. ^ 中島隆博『日本の近代思想を読みなおす 1 哲学』東京大学出版会、2023年。 ISBN 978-4-13-014251-9 11f頁。
  10. ^ 中国語版ウィキソースに本記事に関連した原文があります:通書#志學第十



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