通検推排とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > 通検推排の意味・解説 

通検推排

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/30 04:32 UTC 版)

ナビゲーションに移動 検索に移動

通検推排(つうけんすいはい)は、12世紀金朝で採用された財産調査制度[1]

歴史

金朝においては、女真族を根幹とした猛安・謀克戸奴婢を除き、物力銭が課されていた[2]。この物力銭の額を査定するため、財産の全国的な調査を行ったが、これを通検推排と呼ぶ[1]。第4代皇帝海陵王時期の放漫財政による財政難を打開するため、第5代皇帝世宗時期になって始められたものであり、初回の通検推排は大定4年(1164年)に行われたが、この時の調査は公正を欠き、権勢家に有利だという批判を受けたため、翌年に再調査が行われた[1]。以後は概ね10年ごとに行われたが、通検使は税の増収を図ろうとし、また権勢家に有利になったため、種々の問題が生じ、また物力銭の徴集は年を経るごとに苛烈になる傾向があり、金朝に対する漢民族の反感をつのらせた[1][2]。調査の対象は、農地家屋車輛家畜・有用樹・所有する現金などが含まれたが、蒲察通はさらに奴婢や牛具も含めるべきと主張した[3]。最後に行われた通検推排は泰和8年(1208年)の第5回である[1]

脚注

[脚注の使い方]
  1. ^ a b c d e 京大東洋史辞典編纂会『東洋史辞典』東京創元社、1990年4月、P589。
  2. ^ a b 京大東洋史辞典編纂会『東洋史辞典』東京創元社、1990年4月、P745。
  3. ^ 小川裕人「金代の物力錢に就て(中)」、東洋史研究会『東洋史研究』6巻1号所収、1940年12月、PP43-60。

関連項目




英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「通検推排」の関連用語

通検推排のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



通検推排のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの通検推排 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS