軍記物・地誌
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/17 23:36 UTC 版)
馬琴は「回外剰筆」において、南総里見家について記した「史書」として『里見記』『里見九代記』『房総治乱記』『里見軍記』を挙げ、また『北条五代記』『甲陽軍鑑』『本朝三国志』などの「俗書」にも里見家への言及があることを述べている。また、とくに近年の著として中村国香『房総志料』の名を挙げている。 馬琴が「史書」として取り上げた書籍は、今日では創作を交えた軍記物とみなされている。八犬伝は「里見義実の安房入国伝説」を発端部のモチーフとし、後日談として里見義豊と里見実堯・義堯親子との確執(犬懸の戦い)に触れているが、これらの記述はこうした軍記物に依拠している。今日の歴史学では、同時代史料の検討などを通して、初期里見氏の歴史は従来信じられてきた姿と大きく異なることが指摘されている。 越後小千谷の描写には、当時親交のあった鈴木牧之『北越雪譜』の原稿が参照されており、同地で行われる牛の角突きが作中に取り込まれている。
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