身体的コミュニケーション
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/05/30 02:46 UTC 版)
「ヘルマン・シュミッツ」の記事における「身体的コミュニケーション」の解説
シュミッツにとって、人間は、身体と感情の空間的広がりによって、世界へと開放された力動的存在である以上、周囲の事物や他者との関わりは、初めから互いを巻き込み、たえず変化するものである。それをシュミッツは「身体的コミュニケーション(leibliche Kommunikation)」と呼ぶ。これは物体としての身体と他の物や人との間の物理的な相互作用ではなく、身体的に感知される動きであり、知覚、会話、肉体的な共同作業、集団行動、道具や機械の使用など、きわめて多様な経験が身体的コミュニケーションとして捉えられる。これには一方的な場合と相互的な場合がある。一方的な事例は、何かに目が引き付けられたり、場の雰囲気に呑まれたりする経験、相互的な事例は、視線のやり取り、サディズムやマゾヒズム、すれ違う人をよけたり、何人かで家具を運んだりする場合、パニックや集団的熱狂、スポーツのチームプレイなどが挙げられる。身体的コミュニケーションは、シュミッツにおいて他者論のみならず、行動や知覚など、人間の実践的なあり方一般を基礎づけるものである。
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