贖物とは? わかりやすく解説

あが‐もの【×贖物】

読み方:あがもの

《「あかもの」とも》

祓(はら)えに用いる具。身のけがれや災厄代わりに負わせて、川などに流す装身具調度品形代(かたしろ)。

罪をつぐなうために出す財物


しょく‐ぶつ【×贖物】

読み方:しょくぶつ

罪を償うために差し出す物。あがないもの。ぞくぶつ


ぞく‐ぶつ【×贖物】

読み方:ぞくぶつ

しょくぶつ(贖物)


贖物

読み方:アガモノ(agamono)

身のけがれ、身にふりかかる災難かわりに背負わせるもの。


あがもの 【贖物】

日本律令制度以前に、罪・穢を祓い清めるために、それらを負わせる意味で川などに流した装身具調度品、または形代律令制度確立後は穢は祓いにより、罪は刑によって解消する、と考えた。→ 形代

贖物

読み方:アガモノ(agamono)

罪をつぐなうため祓に供えるもの

季節

分類 宗教


贖銅

(贖物 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/31 15:55 UTC 版)

贖銅(しょくどう、ぞくどう)は、実刑の代わりに罪相当額の官司へ納入する換刑であり、罰金・財産刑の側面をもつ。日本では養老律令の時代に最初に制定された。

概要

律令制で定められた五罪笞罪杖罪徒罪流罪死罪)について、銅を納めることで刑罰を免じられた。

  • 適用意図として、身分的特権によるもの、老人や子供、障害者などに対する配慮など換刑を意図したものと、過失犯や疑罪(推定有罪)該当者に対する配慮など犯罪の特性に由来する法定刑的な刑罰に分かれている。
  • 徴収された贖銅は傷害罪や誣告罪の場合には被害者の家に与えられたが、原則的には国家に帰して贓贖司において獄舎の修理や囚人の衣料・薦席・薬品代などにあてられた(同司廃止後は刑部省が直接行った)。

換算率

笞罪は10回につき1斤、杖罪も10回につき1斤(ただし杖の回数は最低60回から最高100回までであるため、実際の支払は6-10斤の間となる)、徒罪(1-3年)の場合には20-60斤(半年増加ごとに10斤増加)、流罪の場合には近流80斤、中流90斤、遠流100斤、死罪の場合には200斤。銅以外でも銭や稲、布など銅に代わり得る物での納付も認められており、986年には銭60文を銅1斤に換算することが定められている。平安時代になると実刑を回避する手段ばかりではなく、銅を請求する事例も増えた。

納付期限

判決が出されてより笞罪が30日、杖罪は40日、徒罪は50日、流罪が60日、死罪が80日と差があった。また、官人の場合には官当による換刑を行い、その不足分を贖銅で補わせた。これを当贖(とうしょく/とうぞく)と呼ぶ。更に議請減贖の資格者の親族や七位もしくは勲六等以上の者の父母妻子及び五位以上の者の妾が流罪以上の対象になった場合にもの一種として、贖銅による減刑が行われる場合もあった。これを蔭贖(おんしょく/おんぞく)という。ただし、刑罰によっては蔭贖が認められない場合もあった。反対に贖銅が払えない者も直ちに実刑を受けず、官人であれば位禄季禄などを差し押さえ、庶民であれば官の労役に従うことで贖銅の代わりとされた。時代が下ると検非違使によって強制的に徴収される事例もあった。

贖銅の事例

  • 946年小野道風は右衛門佐であった時に部下が職務を怠り会昌門を開かなかったとして、贖銅2斤を命じられている。
  • 1147年平清盛は祇園闘乱事件がきっかけで、鳥羽法皇より30斤の贖銅を命ぜられている。

参考文献

  • 利光三津夫「贖銅」(『国史大辞典 7』(吉川弘文館、1986年) ISBN 978-4-642-00507-4
  • 高塩博「贖罪」「贖銅」(『平安時代史事典』(角川書店、1994年) ISBN 978-4-040-31700-7
  • 赤木志津子「蔭贖」(『平安時代史事典』(角川書店、1994年) ISBN 978-4-040-31700-7
  • 水本浩典「蔭贖」(『日本歴史大事典 1』(小学館、2000年) ISBN 978-4-095-23001-6


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「贖物」の関連用語


2
和世 デジタル大辞泉
78% |||||

3
荒世 デジタル大辞泉
78% |||||


5
撫物使 デジタル大辞泉
58% |||||

6
52% |||||



9
14% |||||

10
14% |||||

贖物のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



贖物のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
中経出版中経出版
Copyright (C) 2025 Chukei Publishing Company. All Rights Reserved.
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの贖銅 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS