貫通している理由
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/08 15:56 UTC 版)
「TKPゲートタワービル」の記事における「貫通している理由」の解説
この土地の地権者(末澤産業)は、1893年(明治26年)に創業し、1909年(明治42年)にこの場所に移って製薪炭業などを営んでいたが、社屋が老朽化したため1983年(昭和58年)に改築することにした。しかし、都市計画によって高速道路が通ることになっていたため建築許可が下りなかった。地権者側は譲れなかったため阪神高速道路公団(現・阪神高速道路株式会社)と約5年間にわたり交渉し、ビルに高速道路を通すことで決着した。もっとも当地は梅田に近い一等地で地価が高く、阪神高速側にとっても、土地を買収するより区分地上権を設定するほうが安上がりとなるメリットがあった。 この事例のように、高速道路などを通す場合に用地買収が必要となるが、地権者側にも事情があるため必ずしも用地買収が成功するとは限らず問題となることが多い。 そのため、1989年(平成元年)に道路法、都市計画法、都市再開発法、建築基準法の一部を改正し、道路と建築物等の一体的整備を認めた立体道路制度が制定された。これにより、高速道路が貫通したビルを建てられるようになった。TKPゲートタワービルは日本で初めて立体道路制度を利用した建物である。しかし通常は、地下に道路、地上に建物を配置するのが一般的で、道路部分がビルを貫通するのは極めて稀である。
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