負の整数と負でない整数の形式的な構成
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/22 10:25 UTC 版)
「正の数と負の数」の記事における「負の整数と負でない整数の形式的な構成」の解説
有理数の場合と同様、整数を自然数の順序対 (a, b) (これは整数 a − b を表していると考えることができる)を下に述べるようにして同一視したものとして定義することによって自然数の集合Nを整数の集合Zに拡張できる。これらの順序対に対する加法と乗法の拡張は以下の規則による。 (a, b) + (c, d) = (a + c, b + d) (a, b) × (c, d) = (a × c + b × d, a × d + b × c) ここで以下の規則により、これらの順序対に同値関係 ~ を定義する。 (a, b) ~ (c, d) となるのは a + d = b + c なる場合、およびこの場合に限る この同値関係は上記の加法と乗法の定義と矛盾せず、ZをN2の ~ による商集合として定義できる。すなわち2つの順序対 (a, b) と (c, d) が上記の意味で同値であるとき同一視する。 さらに以下の通り全順序をZに定義できる。 (a, b) ≤ (c, d) となるのは a + d ≤ b + c となる場合、およびこの場合に限る これにより加法の零元が (a, a) の形式で、(a, b) の加法の逆元が (b, a) の形式で、乗法の単位元が (a + 1, a) の形式で導かれ、減法の定義が以下のように導かれる。 (a, b) − (c, d) = (a + d, b + c).
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