貞操帯と女系
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/06 01:53 UTC 版)
アイヌの貞操帯は、同じ女系の女性のみの装身具である。本人か母親、母方の祖母、母方のおばが制作した貞操帯でなくては身に着けられない。この貞操帯を同じくする女系を「シネウㇷ゚ソㇽ」という。結婚後に姑と同じ形状の貞操帯を締めることはせず、必ず実家の母親と同じ貞操帯の形状を貫き、娘が生まれれば彼女にシネウㇷ゚ソㇽを継いでいく。娘のいない女性は息子の嫁に自身のシネウㇷ゚ソㇽと同じ形状の貞操帯を継ぐよう頼み込む例もあるが、嫁は表向きには姑の女系の貞操帯を受け入れつつも、実際には実家の貞操帯を用いる。女性の死者を葬る場合は、シネウㇷ゚ソㇽに類する女性が死者の貞操帯その他、死に装束を着させる。従って、嫁は姑の葬儀には関知しない。自身の女系の正しい貞操帯を身に着けて葬られた女は、死後に来世で母親に合えるという。 婿の母親と嫁のシネウㇷ゚ソㇽが同じ組み合わせの結婚は近親婚とされ、禁じられている。タブーを犯せば、子が生まれなかったり、障害児が生まれるという。
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