貞操帯と男女
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/06 01:53 UTC 版)
成長を経て貞操帯を身に締めた女性は、それを常に帯びていることが要求される。締めていない女性はだらしない女として非難の対象となり、嫁に出せば婚家から抗議される。アイヌ社会で姦通が発生した折は、男性が貞操帯を無理に外したか、女性が自ら外したかで強姦か和姦か判断する。貞操帯を締めていなければ女に落ち度があるとされ、事実上の強姦であっても男は罰せられない。しかし貞操帯を締めていた未婚女性や人妻と交わった男性は、一生にかかわるほどの制裁を受ける。なお、アイヌ社会において姦通を犯した者には、耳削ぎ、鼻削ぎ、あるいはアキレス腱切断の刑が執行される。 貞操帯は決して他人に見せるものではない。男はもとより女に見せることも、話題にすることも憚られる。たとえ夫であっても外すには妻の許可がいる。また、山中で卒倒していた女を夫以外の男が介抱した際、蘇生した女は男に貞操帯を見られたものと理解し、男に正式な妻がいる場合でもその男の妻になる場合があったという。 常時締めていることが要求される貞操帯だが、自身の出産の折は血のケガレを避ける為に貞操帯を外し、火の傍に近づかない。夫が死んだ折はしばらく喪服で暮らすと共に、貞操帯を逆に締めるか新しく作り直す。
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