谷崎源氏と与謝野源氏
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「与謝野晶子訳源氏物語」の記事における「谷崎源氏と与謝野源氏」の解説
谷崎潤一郎による源氏物語の現代語訳は三回行われているが、そのうち最初の谷崎源氏は与謝野晶子によるこの「新新訳源氏物語」と相前後する時期に執筆され、出版されている。谷崎潤一郎による源氏物語の現代語訳が執筆されたきっかけとして、1960年(昭和35年)ころに谷崎の妻谷崎松子が伊吹和子に語ったところによると、松子が谷崎に対して語った「お茶やお花やピアノのお稽古などと同じように、自分も教養の一つとして源氏物語を読みたいが、原文のままでは難しすぎるし、いまある訳本も学問的な物でいまひとつわかりやすいものがみつからない。与謝野晶子訳もわかりやすいがダイジェストである。自分や妹のような女性が読めるような現代語の全訳で、嫁入り道具になるような豪華な源氏物語の本が欲しい」という要望に対応するためであるとしている。谷崎は、自身の現代語訳源氏物語を執筆するにあたって湖月抄などの伝統的な注釈書、当時発刊されたばかりの吉澤義則による当時最もよく使われた代表的な注釈書である『対校源氏物語新釈』、アーサー・ウェイリーの英語訳源氏物語などとともに与謝野晶子の「新訳源氏物語」を手元に置いて参照していたとされる。
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