証言:特別病室からの死体の運び出し
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/14 01:20 UTC 版)
「特別病室」の記事における「証言:特別病室からの死体の運び出し」の解説
当時19歳であった高田淳の証言が記録されている。 特別室へめしをもっていく者が見つけ、「死んでいる」と医局に知らせてくる。知らせがあると9時か10時ごろに遺体を迎えにいくことになる。(中略)担架を持って坂道を正門のほうへのぼっていくんだ。(中略)死んだのはほとんど冬のあいだだけだった。おれは5,6人出しにいった。板の間に敷布団一枚に掛け布団が一枚あるだけ。両手を上げ、干乾しだか凍死だか、干からびた蛙のように凍りついて死んでいる。(中略)だれも触りたくないよ。ふとんごと持っていこうと思うんだ。2,3人が中に入って一人が敷布団の裾を持ち上げ、工事の時に捨ててあった板きれをつっこんではがす。(中略)戸が閉まらないように「閉めるな、閉めるな」って叫びながらやっと氷をはがす。(中略)4人ぐらいでやっと通路に引っ張り出して担架にのっける。(中略)遺体は紫がかった黒っぽい色だった。まえを一人、うしろを一人で担架を持ち、他の者は宿直室にころがっている死者の私物をもってあの坂を下ってくるんだ。そして解剖室の前にもっていく。
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