証明の流れ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/06/03 16:24 UTC 版)
以降の証明では、まず有限個の場合について証明し (2個の直積の場合の証明で十分である)、これを選択公理を援用して(本稿では実際にはこれと同値な整列可能定理とツォルンの補題も援用する) 超限帰納法により非可算個の場合を含む無限個の直積の場合まで拡張している。通常は、数学的帰納法を用いて可算無限個の直積の場合に拡張し、最後に非可算個の直積の場合まで拡張するのであるが、可算無限の場合も非可算個の場合も証明のロジックはほとんど同じになるので、可算無限個の場合は省略する。 コンパクトという概念は、現在では通常はハイネ・ボレルの被覆定理で提唱された被覆という概念を用いて次のように定義される。 定義:位相空間 X がコンパクトであるとは、 X が次の命題を満たすことである。 命題 1:位相空間 X の任意の開被覆 W {\displaystyle {\mathcal {W}}} について、 W {\displaystyle {\mathcal {W}}} の有限部分集合で X を被覆するものが存在する。 コンパクト空間の直積空間がこの命題を満たすことを直接証明することも可能であるが、この命題の対偶である次の命題を証明する方が、有限の場合の証明法をわずかに変形するだけで、非可算個の場合まで見通しよく拡張を行うことができるので、本稿の証明もその方向に沿って行う。 命題 2:位相空間 X の任意の開集合族 W {\displaystyle {\mathcal {W}}} について、いかなる W {\displaystyle {\mathcal {W}}} の有限部分集合も X を被覆しないのであれば、 W {\displaystyle {\mathcal {W}}} も X を被覆しない。 以降、 の方法を引用した の証明を参考にしている。
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