許嫁の正しい読み方
許嫁の正しい読み方
「許嫁」の読み方は「いいなずけ」である。「きょか」と読むこともある(間違いではない)が、今日では大抵の場合「いいなずけ」と読むとみなして差し支えない。許嫁の意味
許嫁は、将来結婚すると約束した相手のこと、つまり婚約者のことである。古くは、親同士が、子供がまだ幼い頃に、将来結婚させようと約束することで成立した間柄を指した。子は逆らうことは許されず、従うか、さもなくば駆け落ちする他なかった。
現代においては親が許嫁を決めて当然という考え方は廃絶し、「許嫁」は当人同士が将来の結婚を約束した関係を指す語(つまり「婚約者」と同義)となっている。
なぜ「許嫁」を「いいなずけ」と読むのか
「許嫁(いいなずけ)」という言葉は、いわゆる熟字訓である。表記と読み方の成立過程が異なり、また、「許嫁」の組み合わせでのみ「いいなずけ」という読みが適用される(分解できない)。「許嫁」という熟字は、漢語である。中国語にも「許嫁(许嫁)」という語彙がある。「允婚」ともいう。
「いいなずけ」は和語であり、「いいなづく(言ひ名付く)」に由来する語と解釈される。「言ひ名付く」もまた「(親が)子供の結婚を約束する」という意味合いの語彙である。
漢語は表記から意味を汲み取りやすく、和語は読みから意味を汲み取りやすい。そうして漢語と和語が対応づけられ、「許嫁(いいなずけ)」という熟字訓が成立したと考えられる。
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