西村楠亭とは? わかりやすく解説

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西村楠亭

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/04/02 01:34 UTC 版)

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西村 楠亭(にしむら なんてい、宝暦5年(1755年)‐天保5年6月20日[1]1834年7月26日))は江戸時代後期の円山派絵師

来歴

円山応挙の門人。西村氏、名は予章、字は士(子)風、楠亭は号。京都商家で木綿縞織を商う嶋屋庄右衛門の子として生まれる[2]寛政から天保初年にかけて作画をしている。天明の大火後に起きた寛政度内裏造営に伴う障壁画では、応挙門下に混じり願書を提出するが採用はされなかった。肉筆風俗画をよくしている他、絵本の作がみられる。しかし、今日確認されている作品は、かなり少ない。文化10 年(1813年)頃成立の「畫師相撲見立」では、前頭筆頭に番付されている。天保5年、80歳で没す。墓所は西大谷ともされるが確認されていない。

作品

絵本

  • 『壬生絵本扮戯尽(きょうげんづくし)』 1冊 寛政元年(1789年)2月刊
  • 『楠亭画譜』 上中下3冊 享和4年(1804年)正月刊
  • 『楠亭画譜 後編』 1冊 文政9年(1826年)3月刊 - 内題は『人物画譜』。歌人野口比礼雄の序があり、その年記は「文政六年九月」とある。

肉筆画

作品名 技法 形状・員数 寸法(縦x横cm) 所有者 年代 落款・印章 備考
競馬図絵馬 絵馬1面 132.5x212.8 御調八幡宮 1804年(文化元年9月) 款記「平安 楠亭寫」/「豫章(?)之印」白文方印 御調八幡宮所蔵の絵馬の中では最も大きい[3]
意馬心猿図絵馬 安井金比羅宮 1804年(文化元年)
難船図絵馬 安井金比羅宮 不詳 安井金比羅宮には楠亭弟子の岩﨑甚兵衞の絵馬もあるという
玄徳躍馬跳檀渓(玄徳、馬を躍らせて檀渓を跳ぶ)図絵馬 板金地著色 絵馬1面 100.9x175.8 厳島神社 1811年(文化8年) 款記「平安 楠亭寫」/「豫章之印」白文方印
唐人船図絵馬 棚倉孫神社
白梅狗子、紅葉双鹿図屏風 紙本著色 六曲一双 156.1x357.4(各)
月次風俗図屏風 紙本墨画淡彩 六曲一双押絵貼 131.4x52.4と53.7
賀茂祭礼図屏風 紙本著色 六曲一双 164.5x361.0(各)
五美人図 絹本著色 二曲一隻 萬野美術館旧蔵
京洛繁昌図巻 紙本淡彩 3巻 38.0x787.0(各) キヨッソーネ東洋美術館

脚注

  1. ^ 『万宝書画全書』(外題『書画必携 名家全書四』)嘉永5年(1852年)刊より。生年は没時80歳より逆算。大村西崖 『日本絵画史』のように没年齢を「60歳」としているものもあるが、早い文献ではみな80歳説を採っている(木村(2018)pp.92-93)。
  2. ^ 寛政度内裏造営に伴う障壁画制作への「願書」(芦庵文庫蔵)より(宮島新一 「画流の形成と継承―円山・四条派と原・岸派―」『日本屏風絵集成第八巻 花鳥画―花鳥 山水』 講談社、1978年5月20日。木村(2018)p.85)。
  3. ^ 佐藤大規 中川 満帆 「御調八幡宮の絵馬」『広島大学総合博物館研究報告』第9号、2017年12月25日、pp.103-119。

参考文献

  • 日本浮世絵協会編 『原色浮世絵大百科事典』第2巻 大修館書店、1982年、p.125
  • 木村重圭 「西村楠亭筆「白梅狗子、紅葉双鹿図屏風」―円山応挙門下十哲の一人」『聚美』Vol.28、2018年SUMMER、聚美社、pp.84-99、ISBN 978-4-05-611376-1


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