複数の原子に関する立体配置
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/06/13 15:31 UTC 版)
「立体配置」の記事における「複数の原子に関する立体配置」の解説
4つの異なる原子団が結合した炭素原子が2つ以上存在する場合、それぞれの炭素原子について上記の2つの立体異性体が考えられる。その結果、そのような炭素原子の数をn個とすれば一般的には2nの立体異性体(2n-1対の鏡像異性体)がある。このような立体異性体の中で自身の鏡像異性体以外の異性体はジアステレオマーという。 それぞれの光学異性体を区別せず、ジアステレオマー間の違いを立体配置として示す場合、これを相対配置あるいは相対立体配置という。このような場合、化合物中の一つの立体配置を仮定して、他の立体配置を表示する。例えば(1R*,2R*,3S*)のように1位がR配置である場合には2位はR配置、3位はS配置というように記述する。この記述は(1R,2R,3S)-体とその鏡像異性体の(1S,2S,3R)-体を合わせたものである。他に環式化合物では1-r,2-c,3-t(1位の置換基を基準として、2位の置換基はcis、3位の置換基はtrans)のような表記法もある。キラル中心との結合が開裂しない反応を用いれば、相対配置が同じである事が証明できる。 各光学異性体も区別して立体配置を示す場合、これを絶対配置あるいは絶対立体配置という(絶対配置と相対配置には歴史的な用語として別の意味がある。これについては下の節を参照のこと)。なお、化合物によっては特定の立体配置では分子内に対称面が生じて自分自身と鏡像異性体が一致してしまうことがある。このような立体異性体はメソ化合物と呼ばれる。
※この「複数の原子に関する立体配置」の解説は、「立体配置」の解説の一部です。
「複数の原子に関する立体配置」を含む「立体配置」の記事については、「立体配置」の概要を参照ください。
- 複数の原子に関する立体配置のページへのリンク