衝突安全性への疑問
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/08 06:49 UTC 版)
1BOXから1.5BOXへと変わっていく中で、前面衝突安全性の向上は図られたが、それでもなおミニバンの衝突安全性には疑問の声が挙がることも決して少なくない。 まず、3列目シート設置車種では3列目シートがリアハッチゲートにほぼ密着して置かれることがほとんどである。そのため、後方からの追突に対する危険性を問題視する声もある。 また、ボンネットの長さが通常の2BOXタイプよりも短く、これを補う目的で衝撃を車体上部に逃がす「巴投げ」方式を併用していることが多いため、メーカーの想定を上回る強さの衝撃が加わった場合、運転席部分が大きく損傷し、乗員に甚大な被害を発生させる危険性も指摘されている。 さらに、2016年6月現在の時点においてJNCAP公式サイトでクラッシュテスト結果が公表されているミニバンクラスのうち、側面衝突時に車両が横転してしまうものが大部分を占めている。多くのミニバンが初代トヨタ・ヴェルファイア(姉妹車種のトヨタ・アルファードも)や日産・エルグランド、ホンダ・ステップワゴンを含むかつての1BOXカーに近い形態のものが占めており、そのような車種で横転しなかったのは2代目トヨタ・ヴェルファイア(3代目トヨタ・アルファード)だけだった。また、同テストの軽自動車部門においてもほぼ同様な現象が見られ、軽のミニバンである軽トールワゴンまたはそれに類するものが一部の車種で横転した(3代目ダイハツ・タントとそのOEMの初代スバル・シフォン、初代ホンダ・N-ONE、初代スズキ・ハスラーとそのOEMの初代マツダ・フレアクロスオーバー)。 側面衝突後の横転は緊急脱出時に甚大な影響を及ぼすおそれがあるため、ミニバンや軽トールワゴンの購入を検討する際は注意が必要である。
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