街道並木
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/03 19:48 UTC 版)
五街道では並木が植えられており、樹種は植えられている場所の標高によって異なり、平地では松が大部分を占め、杉・竹・落葉樹などがそれに続くが、標高が高くなるに従って杉と竹が割合を多く占めた。植えられ方については道の左右片側だけの場合や、両側に揃っていた場合などまちまちで、場所によっては並木が存在していなかったところもあったと見られている。設置した当初の目的を示す史料は見つかっておらず、はじめは通行者の便宜のために植えられたものと考えられている。しかし、時代の経過とともに設置の目的も変化しており、街道設置からおよそ160年後にあたる江戸時代中期の宝暦12年(1762年)の布達「東海道筋並木之儀」では、並木とその周辺の田畑との間に定杭を立てるように指示が出されていて、並木が街道の幅を確保するための手段となっていることを伺わせている。 日光街道杉並木は別な目的で植えられた例であり、松平正綱が主君家康の菩提を弔うために、自費で20年以上の歳月をかけて植え続けたものである。 現在では並木のほとんどは昭和時代に入って国道の拡幅工事などで伐採されてしまい、当時の街道の状態を残している場所、とりわけ並木がある街道で往時の面影を残すものは少ないが、日光杉並木や草加松原などは当時の状況を視覚的によく残す貴重な歴史的遺産となっており、「日本の道100選」にも選定されている。
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