血管拡張作用と血圧低下作用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/06 03:20 UTC 版)
「ジピリダモール」の記事における「血管拡張作用と血圧低下作用」の解説
ジピリダモールのホスホジエステラーゼ阻害作用は、血小板選択的ではない。つまり、様々な細胞でcAMPを増加させてしまう。この結果、例えば、細動脈の平滑筋で起きたcAMPの増加は、この平滑筋が収縮し難いようにする。加えて、ジピリダモールのホスホジエステラーゼ阻害作用は非選択的なので、cGMPの分解も、全身の細胞で阻害する。このcGMPは、血管平滑筋が一酸化窒素による刺激を受けた際のセカンドメッセンジャーとしても作用するため、一酸化窒素による血管拡張作用が増強され持続化される。さらに、ジピリダモールは血小板、赤血球、血管内皮細胞でのアデノシンの再取り込みを阻害し、血漿中など細胞外のアデノシン濃度を増加させる作用も有する。この細胞外へ遊離したアデノシンも血管平滑筋に作用し、血管を拡張させる方向に作用する。これらの作用によって、血管が拡張した結果、全身の血圧を低下させ得る。 しかしながら、ジピリダモールの長期投与では、全身の血圧の有意な低下を示さない。 なお、虚血性心筋症患者における心筋灌流および左心室機能を、ジピリダモールは増強させる事が示されている。
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