蔵米管理の改善
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 08:38 UTC 版)
薩摩藩では蔵米管理役である下代蔵役を下士が輪番で持ち回る習慣があった。これは年貢として米を収公する際、散落米と称して年貢米外の収奪を行って下代蔵役の役得とする習慣がまかり通っており、下代蔵役時に得た収入で家計を補っていたのである。調所はこの問題にメスを入れた。これは農民たちへの搾取であるのみならず、年貢米である部分にも下代蔵役が手を出し、藩の実収減にも直結していたためである。 調所は改革開始直後から下代蔵役が年貢収公以外の収奪を行うことを厳禁した。しかしなかなか禁令が守られないのを見ると、各地に監査役を巡視させ取り締まりを強化した。その結果、状況は改善して定額通りの年貢収公が果たされるようになった。また江戸、京都、大坂、国許の諸蔵に対する監査体制の強化を進め、蔵役の不正を根絶した。 また前述の米の扱い方や俵の改善により、江戸表でもこれまで常に問題となっていた欠損米が見られなくなった。そこで江戸や大坂、そして国許では非常用備蓄米である囲米の準備が進められるようになった。
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