著者と成立時期
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/01/03 14:01 UTC 版)
本書は題字に続いて「常樂臺 釋 存覺述」と記され、奥書には「文和元年壬辰十月二十八日草之畢 存覺老衲六十三歳」と記されている。しかし江戸中期〜後期の西本願寺系の僧である玄智景耀は、『非正統伝』の中で五天良空による偽作としている。 天明4年(1784年)に著された『非正統伝』は、五天良空が正徳5年(1715年)に著した『親鸞聖人正統伝』を批判した書である。その『非正統伝』の中に『正明伝』について批判した「因評正明伝」という章があり、「餘人ノ作ニシテ、常樂ノ聲譽ヲカリテ世ニ行シメントスルモノカ、或ハ草記ノ類アリシヲ、良空縦ニ増修シテ印布シ、己カ新傳ノ輔翼トスルモノカ」と糾弾し偽作としている。この評により『正明伝』の著者は、親鸞の玄孫である存覚ではなく五天良空(もしくはその一派)とみるのが定説となっている。そのため「伝存覚述『親鸞聖人正明伝』」と表記されることもある。 成立時期についても奥書にある文和元年(1352年)ではなく、『正明伝』が開板したとされる享保18年(1733年)に成立したとみるのが定説である。
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