菌類の進化と植物
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/02 09:03 UTC 版)
菌類は植物との関係が深く、動物との関係ははるかに薄い。例えば植物寄生菌には実に多くの種類が存在し、サビキンやクロボキンなど、綱レベルの大きな分類群が丸ごと植物寄生である例も見られる。それに比べると動物寄生のものははるかに少ない。また、その遺体を分解する場合にも、動物の遺体は主として細菌類によって分解され、植物の遺体は菌類が担当する傾向がある。また、共生関係においても現在ではほとんどの陸上植物が菌根を持っていることが知られている。また、この型の菌根が古生代から存在したらしい証拠も見つかっている。 他方、菌類の進化は主に陸上で起こったものと考えられる。接合菌、子嚢菌、担子菌はどれも大部分が陸生であり、水中生活のものはごくわずかである。その点、植物界の主要な群であるコケ類、シダ類、種子植物も陸上で進化したものであり、両者のそれは並行的である。このようなことから、菌類は植物と共進化してきたと考える見方がある。植物は陸上進出の段階で丈夫な繊維質を持つ茎や根を材木として発達させた。これを分解するように進化したのが子嚢菌や担子菌ではないかというのである。植物の側でも菌根などによって菌類の恩恵を受けているから、両者は共進化の関係にあるとも言える。
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