舌および唾液
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/14 10:27 UTC 版)
唾液の細菌叢は、実際には歯や舌、口腔粘膜などの表面の細菌叢を反映したものとなっており、唾液に固有の細菌叢とはいい難い。なぜなら、唾液は液体であり、絶えず分泌と嚥下が繰り返されているので固有の細菌叢が育成しにくいためである。また、分泌直後の唾液は無菌状態である。このため唾液と舌の細菌叢は近似している。舌で最も優勢な菌はStreptococcus salivariusである。これに続いてStreptococcus sanguinis、Streptococcus mitisが優勢種となっている。唾液も舌の菌の影響を受けて同様である。 個体差では、幼児期の唾液細菌叢は好気性ないし通性嫌気性の菌が多く、偏性嫌気性の菌は歯の萌出によって歯肉溝が形成されると出現する。加齢と共に免疫能が低下したり、口腔であれば歯の喪失や義歯の装着などによって、日和見感染の病原菌や嫌気性菌が増殖したりすることがある。 起床直後の唾液細菌叢は多いとされ、食事直後では細菌数は少ないと言われている。 歯肉溝は嫌気的状態であり、有歯顎の口腔では唾液中に偏性嫌気性菌が検出される。 唾液に限らず、口腔で最も優勢な菌はレンサ球菌である。
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