自己参照数列
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/12 04:10 UTC 版)
「オンライン整数列大辞典」の記事における「自己参照数列」の解説
OEIS の歴史の初期の段階から、多くの人々が OEIS 自身を用いてできる数列を登録するように主張してきた。このことについてスローンは次のように回想している。「一つにはデータベースの重要性を維持したいという気持ちから、また一つには A22 が 11 項しか知られていなかったことから、私はそのような数列を登録することを拒否してきました。」 以下、変数 n に対し、ID が n である数列は A_n で表す。スローンが比較的早くに登録を認めた自己参照数列に、a ( n ) = A_n の第 n 項(A031135、後に A091967)がある。当然この数列は有限である。また、第 91967 項は定義されていない。なお、この項目の存在が A000022 の先の項を求めることを促進した。 A100544 は第 n 項が A_n の初項に等しい数列である。しかし、数列の初項をどうすべきかは意見の相違があるため(オフセットの項を参照)、度々変更されるのが問題である。 n が数列 A_n に含まれるか、という問いを考えることにより、ある問題をはらんだ数列 A053873(含まれるような n の列)と A053169(含まれないような n の列)が考えられる。例えば A002808 は合成数の列であるから、合成数 2808 は A053873 に含まれる。A000040 は素数の列であるから、素数でない 40 は A053169 に含まれる。問題は 53169 や 53873 はどちらに含まれるか、ということである。53169 は A53169 に含まれるか含まれないかのどちらかである。含まれるとすれば、A53169 の定義より 53169 は A53169 に含まれないことになって矛盾する。含まれないとすれば、再び A53169 の定義より 53169 は A53169 に含まれることになってやはり矛盾する。この議論はラッセルのパラドックスによく似ている。
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