臨床・検査所見
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/28 03:06 UTC 版)
不完全型は1次孔型ASD、完全型は大欠損孔型VSDに準じた症状を呈する。 聴診 不完全型は1次孔型ASDに準じて、II音の固定性分裂、肺動脈弁口領域(2LSB)の駆出性収縮期雑音が聞かれるほか、ある程度以上の肺血流量がある場合には相対的三尖弁狭窄(TS)による拡張中期雑音、僧帽弁閉鎖不全(MR)がある場合には心尖部で全収縮期雑音が認められる。 完全型は肺高血圧を合併したVSDに準じて、II音の亢進、III音の出現、三尖弁口領域(4LSB)の逆流性収縮期雑音が認められ、また心尖部では相対的房室弁狭窄に伴う拡張中期雑音に加えて、MRがある場合には全収縮期雑音も認められる。 心電図(ECG) ECDにおいては、PR時間延長(I度AVB)・左軸偏位・不完全右脚ブロック(IRBBB)が3徴候として認められる。また、不完全型では右室肥大、完全型では両室肥大の所見も認められうる。 心臓超音波検査 不完全型では心房中隔の欠損、完全型ではさらに心室中隔の欠損所見が認められ、またカラードプラー法により房室弁逆流を認めることもある。 胸部X線写真(CXR) 肺血管陰影の増強を認めるほか、不完全型では右房・右室の拡大、完全型では両室肥大が認められる。 心臓カテーテル検査 不完全型では右心房の、完全型では右心系のSaO2のstep upが認められる。また左室造影を行なった場合、左室流出路においてgoose neckと呼ばれる特徴的な所見が見られる。
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