背面構造
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/16 04:12 UTC 版)
ヒヨケムシの前体背面の外骨格、いわゆる背甲(carapace, prosomal dorsal shield)は他の多くのクモガタ類(単一の甲羅で分節がない)とは異なり、分節が進み、大まかに前後で3枚の「peltidium」という遊離した背板(tergite)に分かれている。 先節と第1-4体節(眼・鋏角・触肢・第1-2脚)に対応する前半部の背板(propeltidium)は丈夫で大きく膨らみ、鋏角の基部に繋がる筋肉を大量に詰まる。両前端は鋏角と関節した1対の外骨格(lateral lobe, exterior lobe, lobus exterior, anterolateral propeltidial lobe)があり、種類により後方が propeltidium と癒合、もしくは完全な境目で propeltidium と分かれている。後縁の周辺には細かな外骨格(parapeltidium)が数枚あり、順に両前方の「anterior arc」(arcus anterior)・中央の「median plagula」・両後方の「posterior arc」(arcus posterior)に分かれるが、種類により融合と発達具合が異なり、それぞれ特定の体節に対応するとも考えられる。後半2枚の背板(mesopeltidium と metapeltidium)は柔らかく、第5-6体節(第3-4脚)に対応する。このように第4-5体節の間から分節し始めた前体は、コヨリムシ・胸板ダニ類(Acariformes)・ヤイトムシにも見られる。 背甲の前端中央はやや盛り上がった眼丘(ocular tubercles)で、中眼(median eye)由来の単眼が1対ある。なお、一部の種類は、鋏角と関節した両前端に痕跡的な側眼(lateral eye)と思われる構造も1対以上兼ね備えている。
※この「背面構造」の解説は、「ヒヨケムシ」の解説の一部です。
「背面構造」を含む「ヒヨケムシ」の記事については、「ヒヨケムシ」の概要を参照ください。
- 背面構造のページへのリンク