考古学における糞石研究
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/08 03:49 UTC 版)
糞石研究は新大陸の考古学において発展した。酸性土壌の卓越する日本では有機物が残存しにくかったため研究が遅れていたが、近年では福井県若狭町の縄文時代前期(約5,500年前)の遺跡鳥浜貝塚において2,000点をこす糞石が出土しており、糞石研究の発展におおいに寄与した。その形態は国際基督教大学の千浦美智子によって「ハジメ」、「シボリ」、「バナナジョウ」、「コロ」、「チョクジョウ」などの愛称で分類されている。糞石を観察すると、肉眼でも魚骨・鱗・種子などがふくまれているのが判別できることがあるが、薬品処理(三リン酸ナトリウム)によって元の色や匂いまで取り戻すことが可能な場合がある。その結果、食事内容・料理法・糞をした季節・病気など、食生活とその環境を中心として多くのデータを集めることができる。 鳥浜貝塚以外で糞石を出土した遺跡には、粟津湖底遺跡第3貝塚(滋賀県大津市、縄文時代中期)、唐古・鍵遺跡(奈良県田原本町、弥生時代中期)、青谷上寺地遺跡(鳥取県鳥取市、弥生時代)などがある。
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