翅の起源
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/11 14:00 UTC 版)
昆虫の翅の起源については長らく議論が交わされてきた。伝統的に大きく「エラ起源説」と「側背板起源説」があったが、2010年頃に理化学研究所のグループがイシノミとカゲロウで、“翅遺伝子”がどこで発現しているのかを分析したところ、エラと側背板の両方で発現していることが明らかになり、エラ説と側背板説の「複合説」が大きくクローズアップされた。いっぽう、2020年に発表された遺伝子の研究では、昆虫の翅は祖先の甲殻類が持っていた脚の基部(先端から8節目)の外葉が背側に移動して進化したことが明らかになった。 古生代に生息した化石昆虫であるムカシアミバネムシ類では、胸部第2節と第3節の立派な翅のほかに、胸部第1節にも短い翅があった。また、この昆虫では、腹部にも各体節にそれぞれ1対の、ヒレ状の側面の突起があった。昆虫の先祖は、このようなヒレ状の突起を全体節に持ち、そのうち、胸部のものが発達して、翅になっていったのではないかと考えられる。
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