縮合リン酸
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/05 08:24 UTC 版)
オルトリン酸を加熱すると脱水反応が起こる。150 ℃ で無水物となり、200 ℃ で 2 つのオルトリン酸が反応し徐々にピロリン酸(二リン酸)H4P2O7 が生成する。さらに高次の縮合リン酸 Hn+2PnO3n+1 も生成し、300 ℃ 以上では 1 つのリン酸ユニットにつき 1 つの水分子が脱離してメタリン酸(ポリリン酸)(HPO3)n が生成する。メタリン酸はオルトリン酸が脱水縮合した化合物とみなすことが可能である。 いずれも複数の PO4 四面体を酸素原子を架橋として連結した構造であり、ポリリン酸は一般的に PO4 四面体が環状に連結したシクロリン酸(しくろりんさん、cyclophosphoric acid)である。 このような加熱により生成するポリリン酸の混合物は、高温において金属などに対する作用も激しくなり、ガラスでさえ侵すようになり、強リン酸(きょうりんさん)と呼ばれることもある。 それ以上の脱水は非常に難しいが、脱水したら五酸化二リン(十酸化四リン)が生成する。五酸化二リンは水と激しく反応する固体であり、乾燥剤としても用いられる。
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