総結合エネルギー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/03 14:23 UTC 版)
「ベーテ・ヴァイツゼッカーの公式」の記事における「総結合エネルギー」の解説
原子核の総結合エネルギーは、次のような五つの寄与の総和として表わされる。 E B = E V − E O − E C − E S ± E P {\displaystyle E_{\mathrm {B} }=E_{\mathrm {V} }-E_{\mathrm {O} }-E_{\mathrm {C} }-E_{\mathrm {S} }\pm E_{\mathrm {P} }} E B = a V ⋅ A − a O ⋅ A 2 3 − a C ⋅ Z ⋅ ( Z − 1 ) ⋅ A − 1 3 − a S ⋅ ( N − Z ) 2 4 A + { + a P ⋅ A − 1 2 gg 0 ug,gu − a P ⋅ A − 1 2 uu {\displaystyle E_{\mathrm {B} }=a_{\mathrm {V} }\cdot A-a_{\mathrm {O} }\cdot A^{\frac {2}{3}}-a_{\mathrm {C} }\cdot Z\cdot (Z-1)\cdot A^{-{\frac {1}{3}}}-a_{\mathrm {S} }\cdot {\frac {(N-Z)^{2}}{4A}}+{\begin{cases}+a_{\mathrm {P} }\cdot A^{-{\frac {1}{2}}}&{\text{gg}}\\0&{\text{ug,gu}}\\-a_{\mathrm {P} }\cdot A^{-{\frac {1}{2}}}&{\text{uu}}\end{cases}}} ここで、EV は体積項、EO は表面項、EC はクーロン項、ES は対称性項、EP はペアリング項、これらの総和 EB が結合エネルギーと呼ばれる。この公式は核子数の低い非常に単純な原子核にはあてはまらないが、大きな核に対しては良い近似を与える。しかし、核子数の大きな領域でも、魔法数などを説明できないため、殻モデルが開発された。 核子数毎の結合エネルギーはこれを核子数 A で割れば求められる。 結合エネルギーを用いて、原子核の質量 m は以下のように求められる。 m = N m n + Z m p − E B / c 2 {\displaystyle \,m=Nm_{n}+Zm_{p}-E_{B}/c^{2}} ここで、中性子の静止質量 mn = 939553 MeV/(c2) 、陽子の静止質量 mp = 938259 MeV/(c2) を用いた。この式中の EB/c2 は質量欠損と呼ばれる量であり、ここからこの公式は質量公式と呼ばれることも多い。エネルギーと質量の関係式 E = mc2 を用いて、質量ではなくエネルギーについての式に書き直すこともできる。
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