網乾左母二郎
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/30 02:40 UTC 版)
「南総里見八犬伝の登場人物」の記事における「網乾左母二郎」の解説
あぼし さもじろう 糠助の旧宅に住むようになった浪人、初登場時25歳。色白で眉目秀麗、「鄙には稀なる美男」と描写される。もと扇谷定正に小姓として仕え、弁舌の爽やかさから主君に寵用されたが、人をそしることが多く追放された。筆跡にすぐれ歌舞音曲にも通じていたため、大塚で手習いや歌舞の師匠となるが、多くの浮名を流し、亀篠にも気に入られた。浜路に懸想しており、亀篠から浜路との結婚を条件に、信乃の刀と蟇六の刀の刀身をすり替えるよう依頼される。首尾よく事を果たすが、信乃の刀が村雨と見るや、蟇六に偽物を渡し自分の物とした。しかし、蟇六・亀篠が浜路と簸上宮六との婚儀を準備をしているのを見ると、浜路誘拐の挙に出る。本郷円塚山で、自らの意に従わずに村雨で突きかかってきた浜路を返り討ちにするが、居合わせた道節によって殺害された。 幸田露伴は、京伝や三馬にかかれば粋で野暮でなくて物のわかった愛される人物として書かれるのに、馬琴の手にかかれば人の機嫌を取ることはうまいが腹の中は不親切な人物として書かれると評しており、京伝・三馬と馬琴の実社会との関わり方の違いを論じている。 二次創作では露出度が多くなる傾向にある。また姓がしばしば「網干」という表記になっている。
※この「網乾左母二郎」の解説は、「南総里見八犬伝の登場人物」の解説の一部です。
「網乾左母二郎」を含む「南総里見八犬伝の登場人物」の記事については、「南総里見八犬伝の登場人物」の概要を参照ください。
- 網乾左母二郎のページへのリンク