絶対年代の扱い方
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/05 23:38 UTC 版)
前掲した相対的年代測定法のうち年輪年代測定以外の多くは、絶対的年代測定法の成果に拠っている。そのいっぽうで、絶対的年代測定法は、それぞれ測定可能な年代範囲や材質に大きな限定が付帯し、その計算過程にはいくつかの前提を必要とするものが少なくない。また、絶対的年代測定法の主要をしめる理化学的年代測定には必ず誤差がつきまとう。したがって、たとえば法隆寺の再建・非再建問題のような比較的短い年代差を問題にするような場合には適用することができない。測定された絶対年代を利用する際には、その方法の測定可能年代の範囲や計算上の前提、精確さや限界など、測定方法それ自体に関する知識が必要であり、そのうえで、複数の年代測定法を併用して、相互検証するなどして信頼性を増す工夫も必要である。AMS法は、放射性炭素年代測定の誤差を補正する方法として期待されている。もとより、年代測定に用いられた資料が、それを包含していた地層や遺構、あるいは出土状況、さらに周辺の資料の様態などとの関連が、それぞれどのようなものであったかを見きわめることが、それらに先だって重要なことである。
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